設計編

1 間取りをつくるのはなく空間を

私たちはDKやLDKという、日本の住宅事情から考案された「苦肉の策」に、縛られている。家は部屋や間取りを考える前に、どのくらいの「空間」をどんな用途に使おうか、と考えよう。それがゾーニングだ。パブリック、プライベートなどの空間、さらに水まわり、調理室、食事室とゾーニングをしていく。その際、表動線と裏動線を交差させないようにする。

2 外観のデザインは町並みとの調和を意識して

建物の外観も家づくりの重要なポイントだ。周りの修景にミスマッチする色使いは避ける。とくに最近はまちづくりや街並みについての意識が高まっている。また、エクステリアはどうするかも大事。
植栽などは、住まいの快適性や防犯性にも配慮した計画にしたい。
建物の位置や外構は、敷地の道路との接し方によって決まってくる。日当たりを確保したり、隣家からの視線を遮るなど、外構や植栽に工夫する。

3 日本の伝統に学ぶ

土間や縁側など、かつての日本の家には必ずあったものが絶えている。玄関で隣の奥さんと長時間の立ち話、では、相手にも悪い。お茶も出せない。そんなとき、家の外でも中でもないという、縁側の曖昧さが重宝する。テラスやデッキのようなものでもよい。また、風雨を避けるが家の中ではない、土間のような空間があると、なにかと重宝する。収納場所や作業場所によいだけでなく、わが家ならではの利用法を工夫してみるのもよい。むかしからの知恵を現代風にアレンジする。

4 水まわりは第2のリビング

浴室、トイレ、洗面所、かつては「裏方」だった水まわりが、今や第2のリビングといわれる。快適なくつろぎ空間として見直され、メーカーからは豪華なユニットが毎年発売されている。面積の割り当てで、どうしてもどこかを狭くしなければならない時、この水まわりが犠牲になってきた。今では逆で、十分な広さを最優先して確保したい。設計ポイントに注意して、将来を考えた計画が必須である。

5 キッチン設計のポイント

主婦の第1の関心はキッチン。徹底的に使いやすさを追求しよう。高さは身長にあわせて調節する。
十分な広さが必要だが、できるだけ移動距離の短い広さがよい。さらに、明るさや収納など、チェックポイントは多い。40年くらい前までは、洗う→刻む→煮る、の順に配列するのがよいとされてきたが、シンクが中央にあるほうが、主婦の動きが少なくて済むようである。

6 リビングは応接間ではない

せっかく立派なリビングルームをつくったのに、ほとんど利用されないケースが見受けられる。概して日本人はリビングの使い方が下手だ。家族が集まる団らんの場にしたいが、子供も成長すると寄りつかなくなる。どう解決するか。玄関からそれぞれの部屋に行くのに、リビングを通るようなゾーニングにする、家族の動きや気配をつねに感じられる設計にする、テラスデッキとリビングをつなぐ、子供が幼いうちは、寝室は2階に、勉強やゲームはリビングの一角で、など工夫次第で有効活用が図れる。

7 収納やフリースペースなど自由な空間を楽しむ

家の中に、多用途に使える自由な空間を持ちたいもの。地下室や屋根裏を使う、土間をつくってリビングとつなぐ、などファミリーコモンのスペースをつくろう。収納も設計の段階でビルトインしたい。

8 二世帯住宅は知恵と工夫を生かして

利点と注意点をしっかり把握することが、まず大事なこと。そのうえで、どこまでを共有して、どこからを独立させるかの計画をする。プライバシーを重視しすぎて、将来介護に不便になったり、あるいは逆のケースなども考えられる点に注意。

引用:「家づくりの基礎知識」(監修:中村義平二 発行:建築資料研究社)