消費者保護へ

建設業者や不動産業者に「瑕疵担保責任」の資力確保を義務付けることによって、従来の法では守りきれなかった建て主の安心の家づくりを保証する法律です。

■新築の家の床が傾いているのに気づいたら?

幸せな休日が一転、大騒ぎに・・・・・。こんなもしものときに助けてくれる法律、それが「住宅瑕疵担保履行法」です。この法律によって、やっとの思いで手に入れた住宅に欠陥(このケースは床が傾いていた)が見つかった場合、建て主はその欠陥に対して必ず保証を受けることができるのです。前述の建て主は建設業者に対して「床が傾いている」という欠陥を申し立てれば、建設業者の責任で補修させることができます。保険の範囲内であれば、自己負担は一切必要ありません。
しかし、このような保証を受ける権利は現行の法律「品確法」で既に保障されています。では今回新たに制定された「住宅瑕疵担保履行法」は、一体何を定めた法律なのでしょうか?そして、この法律によってこれから家を建てる人にどのような影響があるのでしょうか?

■瑕疵担保責任の「資力確保」義務化

「住宅瑕疵担保履行法」は、現行の「住宅品質確保法」をさらに強化する目的で定められた法律です。とくに重要なのは、瑕疵担保責任の「資力確保」を義務化した点にあります。
「瑕疵担保責任」とは、購入した住宅に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合に、建て主が追求できる損害賠償などの保障のことをいいます。売り手(住宅供給業者)側がこの瑕疵担保責任を「確実に」果たすために、住宅の受け渡しときに売り手側に「保険への加入」、または「保証金の積立て」を義務付けるというのが新法の内容です。
「保険への加入」は、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人(指定保険法人)」との間で、瑕疵担保責任の履行に対して保険金を支払うという契約を締結するものです。「保証金の積立て」は、住宅供給業者が自らの費用で瑕疵の補修をすることを前提に、倒産等の場合に積立て金を還付して消費者への瑕疵担保責任を果たすのを助けるしくみです。(詳細は、国土交通省http://www.mlit.go.jp)。
そもそもこのような新法が定められたのは、平成17年に起きた構造計算書偽装事件に大きく関係しています。
新築住宅に欠陥が見つかったにもかかわらず、そのときには建設業者が既に倒産しており、建て主側は十分な保証を受けることができないという問題が発生しました。色鉛筆が転がる床に気づいたときには、建設業者が倒産していて、どこにも損害賠償を請求できないとしたらどんなに恐ろしいでしょう。そんな悲劇を二度と起こさないために施行されたのがこの新法です。

■建設費UPの不安も?

この法律が施行されるのは、2009年の10月(平成21年10月1日)からで、それ以降に引き渡される新築の住宅から新法が適用されます。
この保険料が、建て主の支払う建設費に上乗せされるという可能性が考えられるのです。また、新法の保証制度を受けるためには、従来よりも検査の回数が増えるので、工期が長くなることは避けられそうもありません。
安心の家づくりを助ける法律はできましたが、安心の代償として、従来よりも建設費用が高くなり、工期が長くなるということも受け入れる必要があります。施行されてみないとどんな問題が起こるか分かりません。常に新しい情報をチェックしながら、建設業者とよく相談の上、互いに内容について充分に納得した上で契約することが大切です。

引用:「家づくりの基礎知識」(監修:中村義平二 発行:建築資料研究社)