求められる基本性能をチェック

家づくりを考えるとき、今、話題になっている住宅の基本性能がいくつかある。
それらをどう考えればいいか、ポイントをまとめておこう。

欠陥住宅

テレビ番組で話題になることが多い欠陥住宅。だが、そのほとんどが施工時にきちんとチェックしなかったために起こった事例。10年間の補償制度を活用して、対策を立てよう。

■10年間の補償がある

住み始めてみたら「家が傾いている」「風で家が大きく揺れる」「雨漏りがする」といった生活に支障をきたす重大な欠陥が見つかるケースがある。
テレビなどでも大きく報道されており、せっかく大金を払って建てた家がこうした欠陥住宅だったらと、不安に思う人は少なくない。
だが、2000年4月からは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)が新たに施行され、新築住宅の基本構造部分については例外なく10年間の補償制度が設けられた。もちろん、被害を未然に防ぐには、しっかりした建築業者の選定や、家づくりへの積極的な関わりが求められる。

■地盤に起因する欠陥が大半

欠陥住宅の主な原因は、次の3つだ。
1 悪質な手抜き工事によるもの
(材料などを勝手に廉価なものにして、不当に利益を得ようとするもの)
2 構造計算が不十分だったり、施工がいい加減であるもの
3 地盤調査が不十分で、地盤改良や基礎の設計・施工に問題があるもの
1 2 は、建築業者の選定や工事過程のチェックで、大半は防げる。3 は、欠陥の原因の大半を占めるだけに、慎重に見極めたい。地盤調査はできるだけ実施して、詳細な報告を受けよう。

健康住宅

同じくテレビ番組で話題になるのがシックハウス症候群。新しい家に入居した後、気分がすぐれなかったり発疹が出たりする症状をいうが、建材や塗料などの選定に気をつければこうした症状を防ぐことができる。

■室内空気汚染に法規制

シックハウス症候群とは、新築住宅に入居後、目がチカチカしたり、頭痛、吐き気などの症状が出ること。建材や塗料の化学物質から発散するホルムアルデヒドなどが原因といわれる。
この対策として、2003年7月に建築基準法が改正され、室内空気の規制が厳しくなった。建材や塗料のホルムアルデヒドの発散に基準が定められ、24時間運転する機械換気も義務づけられた。建材・塗料メーカーでは、低ホルムアルデヒドタイプへの代替が急速に進んでいる。ある程度安心できる環境が整ったので、新築住宅だからといって過剰に危険視する必要はなくなったといえる。

■自分の体質を知ることも必要

ホルムアルデヒド以外にも、トルエンやキシレン、パラジクロロベンゼンなど、シックハウス症候群を引き起こすとされる化学物質はある。
また基準値以下の微量ホルムアルデヒドで発症してしまう人もいる。個人差が非常に大きいので、もともとアレル
ギー体質の人は、十分な警戒が必要。
そういう敏感な体質の人は、建築請負業者に、その心配のあることを伝え、化学物質をまったく含まない天然素材の材料を使うことを求めたり、ホルムアルデヒドがわずかでも含まれていると思われる建材には、採用前にまず触れてみる、といったテストをしておくことが必要だ。

二世帯住宅

親と暮らす「二世帯住宅」は、土地不足などのためにこれから増えてくると思われる居住形態。
プライバシーを確保し、楽しく暮らす知恵を工夫して、快適な住まいを考えよう。

■バリエーションが豊富に

「土地がある」「高齢になった親の心配もない」と言った理由で、二世帯住宅にするケースが増えている。賑やかに食卓を囲んだり、家事を助け合ったりと、二世帯住宅ならではの楽しさもある。
玄関から水まわりまで完全に別な「独立型」、玄関と浴室などを一緒に使う「一部共有型」、寝室以外すべてを共有する「同居型」の3つのタイプと、これらの中間的な形態もある。だが、ライフスタイルも生活時間帯も異なる二世帯が一緒に暮らすには、それなりの知恵と工夫が必要。
・独立性の確保
・二世帯が交流する際の、場所とスタイルの工夫
・二世帯分に必要な部屋数の確保
・二世帯分の収納スペースの確保
・高齢者世帯の暮らしの安全と将来対応
といったことがテーマになる。

■3階建てにはエレベーターを活用する

二世帯分のスペースと独立性を確保するには、3階建住宅が有効だ。とくに敷地の確保がむずかしい都心部によい。
確かに3階建ては上下階の移動が大変だが、出来るだけ縦移動を減らし、ホームエレベーター(EV)を設置することで楽になる(販売当初に比べ半額近くまで価格が下がっていて、導入しやすい)。これなら、親世帯に日当たりがよく、眺めもいい3階を提供でき、設計の幅が広がる。

防犯住宅

新興住宅地域で急増しているのが、ピッキングなどの犯罪。泥棒を防ぐための知恵を凝らした貴重な財産を守ってくれる「防犯住宅」について、簡単にまとめておこう。

■ポイントは窓の対策

住宅への侵入盗件数は最近急激に増え、検挙件数は減少している。犯罪も凶悪化しているので、住まいづくりに、防犯の視点は欠かせない。品確法にも取り入れられた。
過去の事件の分析から、泥棒が一番嫌がるのは、他人から見られることと侵入に時間がかかることだといわれる。近所の人に見られたり声をかけられたりした63%が侵入を諦めている。侵入に5分かかると7割近くが、10分では9割以上が諦めている(<財>都市防犯研究センター調べ)。
住宅の防犯ポイントは次の3つだ。
1 侵入の様子が道路や隣家から見られやすい
2 ガラスが丈夫で鍵が二重になっているなど、窓が破りにくい
3 道路が死角になるところにも、窓格子や警報装置などが付いている

■近隣との付き合いも大事

これは直接的な対策ではないが、住人がいつもきちんと挨拶し、ゴミも落ちていないような町の雰囲気も、泥棒を寄せ付けない力になる。
住むことに意識的な人は、当然、防犯にも意識が高い。泥棒はその雰囲気を直感して、よそに行ってしまう。
街並みの質を高め、泥棒が不安と緊張を感じるような、豊かなコミュニケーションのある開かれた街と住まいをつくることも、強力な防犯対策になる。

引用:「家づくりの基礎知識」(監修:中村義平二 発行:建築資料研究社)